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”女性の敵は女性”は間違い!?

坂東眞理子が考える、知性を磨くための方法とは?

ヒント3
「人前で泣かない」

社会人になると、自分の能力や貢献が正当に評価されない、自分ではミスとは思えないのに、ねちねちと陰口を言われるなど、職場ではさまざまな理不尽と思えることがあり、泣いてしまった経験のある女性も多いでしょう。女性だからと、あからさまに蔑ろにした態度をとる、不届きな男性も中にはいます。

しかし、職場では女性の涙は“禁じ手”です。女性に泣かれては、男性たちはそこで休戦せざるを得ません。問答無用で戦闘中止にしなければならなくなり、余計に憮然とされてしまいます。職場の女性たちの涙は、ほとんどが「悔し涙」です。

しかし、どんなに悔しくても泣くならば人目につかないところで、独りで泣くことです。プライベートで心を許せる友人の前で泣き、悔しさを吐露することがあってもいいですが、職場の人前で泣くのはNGです。そして、自分の感情をコントロールすることを覚えていくしかありません。

 

ヒント4
「女性を鍛えてくれるのは女性だと気づく」

職場に限らず、女性が多い集団の中で女性は厳しく鍛えられます。半分ジョークですが、私は日本で一番女性教育に成功している教育機関は宝塚音楽学校ではないかと思っています。同校は先輩が後輩を鍛える人材養成機関として素晴らしい実績をあげています。

男性は、女性が一生懸命がんばっても≪女性部下はこの程度でいいんだ≫という思い込みがまだまだあり、多くを要求しません。期待水準が低いのです。ですから、若いときに厳しく鍛えてくれる女性が多い場に身を置くのも、いいことです。

 

ヒント5
「ポジティブな「八方美人」スタイルを身につける」

「八方美人」と言うと、“誰にでもいい顔をする人”と信頼できない人の意味で言われることのほうが多い印象があります。しかし、むしろそれを利点として活かしていくのも、女性が生き抜くひとつのスタイルです。

20世紀の男性社会では、あまりにもその生き方がすべての女性に強制されていたため、私も含め反発する女性もいたのですが、重要で尊重すべきひとつのスタイルだと思います。周囲に敵をつくらない、好き嫌いをモノサシにせず、どんな人にも柔軟に対応する態度などは、まさにいい意味のポジティブな「八方美人」です。

以上、本書を代表するヒントを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
どれもこれも、わかっているようでなかなかできていなかったり、つい忘れがちなことが多いかもしれません。
だからこそ、これらのヒントを改めて意識してみれば、あなたの毎日をちょっとでも楽にしてくれると思います。

<『女性の知性の磨き方』より抜粋>

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坂東 眞理子

ばんどう まりこ

昭和女子大学学長。1946年富山県生まれ。東京大学卒業。69年に総理府入省、95年に埼玉県副知事、98年にブリスベン総領事、2001年に内閣府初代男女共同参画局長を務める。07年より昭和女子大学学長、14年大学理事長就任。ベストセラー『女性の品格』他、著書多数。


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